人的資本、今、なぜ開示が必要?
2022年は「人的資本の開示元年」とも言われ、人的資本経営への注目が高まり、人事戦略と経営戦略を結びつけてその情報を適切に開示にすることが加速していくと期待されています。今回は、こうした情報開示が必要となってきた背景を見ていきましょう。
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目次[非表示]
- 1.人材は管理すべき対象か?
- 2.投資家からのニーズ
- 3.開示の枠組みが続々と公開
- 4.まとめ
人材は管理すべき対象か?
人材に対する考え方として、これまでは人的「資源」として捉えることが一般的でした。資源はどのように活用すべきか「管理」するものであり、その管理にかかる資金は「コスト」とみなされてきました。人事関連部署が多くの企業で「管理部門」として扱われていることもそれを物語っています。しかし今後は、人材は「資本」であり、「価値創造」する財で、その育成にかかる資金は「投資」と考える方向へと変わりつつあります。
人材は企業価値を創造する源泉であり、経営戦略の実現可能性を左右するものです。こうしたことから人材戦略は経営戦略と密接に連動したものでなければならず、その内容は積極的に社内外へ発信し、対話するべきと認識されてきています。
参考:経済産業省 人材版伊藤レポート
投資家からのニーズ
投資家が人的資本の情報を重要な投資判断材料に用いていることも、注目すべき点です。機関投資家に対するアンケートでは、中長期的な投資・財務戦略を判断する際に着目する情報として、以下のとおり人的資本に関連する情報が重視されていることが示されています。
なかでも、投資家が開示を期待する項目としては、「経営層・中核人材の多様性の確保方針」、「中核人材の多様性に関する指標」、「人材育成方針、社内環境整備方針」などが挙げられています。
このように、投資家からみても投資判断するうえで人的資本の情報は非常に重要であり、適切な情報開示がされていない企業に対しては評価の精度が担保できないとみなされることも起こり得るでしょう。
出典:内閣官房 人的資本可視化指針 付録①
開示の枠組みが続々と公開
国内外を問わず、人的資本の情報開示の枠組みがここ数年で整備され、公開されてきたことも、外部からの開示要請の機運を高めているといえます。ISO30414(人的資本に関する情報開示のガイドライン, 2018年)の発行、コーポレートガバナンス・コード(2021年)の改訂、内閣官房による人的可視化指針(2022年)の発表、そして有価証券報告書における人的資本項目の開示義務化など、影響の大きな制度改定も含まれます。
これらの指針やガイダンス等については、別の記事で改めてまとめていきたいと考えています。
まとめ
人事戦略は企業の中長期経営戦略を語るうえで不可欠な情報であり、その実態を投資家との対話や各種報告書等を通じてステークホルダーに説明することが今後より一層求められてきます。また、労働人口が減少し、人材の流動化が進む状況の中、優秀な人材に長く働いてもらうには、人を惹きつけられる企業であり続けなければなりません。
企業は、人的資本の情報開示に向けて、適切な仕組みづくりを早期に対応していく必要があるといえます。
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