SBTi、9月24日にTarget Dashboard更新へ 5年レビュー対象企業が確認すべきこと

Science Based Targets initiative(SBTi)は、2026年9月24日にTarget Dashboardを更新する予定です。今回の更新では、企業のコミットメントや認定済み目標のステータス表示が見直され、SBTi上での各社の状況がより分かりやすく示されるようになります。

SBTiによると、認定済み目標を持つ11,600社超のうち、300社強が2026年末までにMandatory Five-Year Review(必須の5年レビュー)の対象となります。対象企業では、自社の目標が最新のSBTi基準に引き続き適合しているかを確認し、必要に応じて目標を更新することが求められます。

Target Dashboardの更新で何が変わるのか

SBTiのTarget Dashboardは、企業や金融機関、SMEのコミットメント・認定済み目標の状況を公開するデータベースです。サプライチェーン上の目標設定状況を確認する企業、投資判断に活用する金融市場関係者、企業の気候対応を確認する市民社会・研究機関など、幅広い関係者に参照されています。

今回の更新では、以下のような変更が予定されています。

  • 企業ステータスの用語見直し
  • コミットメント・目標レベルのステータス分類の更新
  • ステータスの説明や理由表示の明確化
  • 地域・国分類のUN M49基準への整合

※UN M49は、国連統計部が定める地域・国コードの分類基準で、国・地域別データの整理に用いられます。

具体的には、SBTiの「Commitment and Target Statuses」文書では、従来の「Committed」は「Commitment to Set Targets」、「Targets Set」は「Validated Targets」に置き換えられることが示されています。これにより、企業がSBTi上で現在どの段階にあるのか、また目標がアクティブな状態かどうかを確認しやすくなります。

企業にとって重要な点は、5年レビューへの対応状況が社内管理にとどまらず、公開ダッシュボード上のステータスとして外部からも確認され得ることです。そのため企業は、統合報告書、サステナビリティレポート、ウェブサイト、顧客向け資料などで示しているSBT目標の内容・期限・ステータスが、SBTi上の表示と整合しているかをあらかじめ確認しておく必要があります。

5年レビューの基本的な流れ

SBTiの5年レビューは、認定済み目標が最新のSBTi Criteria and Standardsに引き続き適合しているかを確認する仕組みです。レビューの起算日は、直近の認定済み目標が公表された日から5年後の月末とされており、企業は原則として起算日から6か月以内に5年レビューのフォームをSBTi Servicesへ提出します。レビューの結果、目標更新が必要な場合は、起算日から12か月以内に改訂目標を提出する必要があります。一方で、更新が明らかな場合はレビュー手続きを経ずに新しい目標を直接提出することも可能です。また、目標年が近い場合の免除や、Corporate Net-Zero Standard V2.0、新しいセクター基準への移行を見据えた延長申請も用意されていますが、いずれも自動的に認められるものではなく、個別判断となります。

なお、5年レビューは必ずしも目標更新を意味するものではなく、既存目標が最新基準を満たしている場合は、そのまま維持される可能性があります。

対象企業が確認すべきポイント

5年レビューでは、目標値だけでなく、目標の前提となるデータや算定範囲も確認対象になります。特に、次の点は早めに確認しておく必要があります。

SBTiのガイダンスでは、GHG Protocolの基準年再計算原則、組織境界、Scope1・2の対象範囲、Scope3目標の要否なども確認項目として示されています。グループ会社や海外拠点を含む企業では、環境部門だけでなく、経営企画、IR、経理、調達、事業部門、DX/IT部門との連携が必要になります。

SLM編集部コメント

今回の更新で注目すべき点は、SBT目標の信頼性が「認定を取得したか」だけでなく、「認定後も最新基準に照らして見直し、必要な更新を行っているか」によって見られるようになることです。

5年レビューは、SBTiへの提出対応であると同時に、企業のGHGデータ管理体制を点検する機会でもあります。Scope1・2・3の元データ、算定方法、変更履歴、レビュー判断、対外開示が分断されたままでは、目標更新やステークホルダー説明のたびに確認負荷が大きくなります。

対象企業は、まず自社の起算日と期限を特定したうえで、5年レビューを単発の確認作業として扱うのではなく、排出量算定、目標進捗、証跡管理、情報開示をつなげた継続的な業務プロセスとして整備していくことが重要です。

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