農林水産省、フードサプライチェーンのCFP算定ガイドを改訂 食品分野の排出量可視化が進展
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2026年3月18日、農林水産省(MAFF)は、食品分野における温室効果ガス排出量の可視化を目的とした「フードサプライチェーンにおけるカーボンフットプリント(CFP)算定ガイド」を改訂しました。
本ガイドは、原材料調達から製造、流通、消費・廃棄に至るまで、食品のライフサイクル全体における排出量を算定するための指針を示すもので、食品関連事業者やサプライヤーを主な対象としています。
改訂の背景と目的
食品分野では、一次産業から加工・流通まで多段階にわたるサプライチェーン構造を持つことから、排出量の把握が難しい領域とされています。一方で、企業の脱炭素対応は、企業単位の排出量管理(Scope1・2・3)から、製品単位での把握へと拡張しています。
今回の改訂は、こうした流れを踏まえ、食品特有の実務に即した算定方法の明確化と、企業による活用促進を目的として行われました。
Scope3の全体像や企業対応については、以下の記事で整理しています。
→ Scope3とは?算定対象・15カテゴリをわかりやすく解説
また、製品単位で排出量を把握するCFPの算定方法については、以下の記事も参照ください。
→ 【実務担当者向け】カーボンフットプリント(CFP)算定のやり方|手順・必要データ・配分・失敗例まで徹底解説
主な改訂ポイント
公表資料では、以下の点が整理・強化されています。
- 食品サプライチェーンの特性を踏まえた算定範囲の明確化
- 一次データ・二次データの取り扱いの整理
- 実務での適用を意識した算定手順の具体化
- 事例の拡充による理解促進
これにより、食品分野におけるCFP算定の実務的なハードル低減が期待されます。
企業実務への影響
今回のガイド改訂は、単なる参考資料にとどまらず、今後の制度対応や取引要件にも影響を及ぼす可能性があります。
特に、以下の点で企業への影響が想定されます。
- 製品単位での排出量把握(CFP)への対応強化
- サプライヤーとのデータ連携の必要性の増大
- Scope3算定との整合性確保
- 欧州規制(ESPR等)を見据えた基盤整備
欧州規制である欧州電池規則におけるCFPの位置づけについては、以下の記事でも整理しています。
→ 【最新版】欧州電池規則最新解説 義務化スケジュールと主要要件
食品業界においても、排出量の「見える化」から「活用」への移行が求められる局面に入りつつあります。
今後のポイント
CFPは、企業単位の排出量管理(Scope1・2・3)を補完し、製品単位での環境負荷を示す指標として重要性が高まっています。
今回のガイド改訂は、食品分野における具体的な実務指針として位置づけられ、今後の制度動向や市場要求とも連動していくことが想定されます。
企業にとっては、単なる対応にとどまらず、商品設計・調達・サプライチェーン管理にどのように組み込むかが重要な論点となります。
※参考資料
農林水産省プレスリリース(2026年3月18日)
https://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/b_kankyo/260318.html
フードサプライチェーンにおけるCFP算定ガイド
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/climate/cfp.html




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