ESRS改訂・制度化フェーズへ 欧州委員会が委任規則案を公表、意見募集を開始
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欧州委員会は5月6日、改訂版「欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)」案および中小企業向け自主的サステナビリティ報告基準案に関するパブリックコンサルテーション(意見募集)を開始しました。 https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/mex_26_1001
今回の見直しは、EUが推進する「Omnibus I簡素化パッケージ」を踏まえたもので、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に基づく開示実務の負担軽減と、制度運用の効率化を目的としています。
開示項目を大幅削減、実務負担軽減へ
欧州委員会によると、改訂版ESRSでは必須データポイントを約61%削減し、開示項目全体も70%超削減される見込みです。これにより、企業の報告コストは30%以上削減できるとされています。
また、重要性(マテリアリティ)評価の考え方も整理され、「重要でない情報は原則として開示不要」とする方向性が明確化されました。トップダウン型の重要性評価も認められることで、企業側の評価・監査対応負担の軽減が期待されています。
一方で、ESRSの中核概念である「ダブルマテリアリティ」は維持されます。企業には引き続き、財務影響と社会・環境インパクトの双方から重要性を評価することが求められます。
ISSBとの整合性も強化
今回の改訂では、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)との相互運用性向上も意識されています。
温室効果ガス排出量の算定では、「財務支配アプローチ」と「オペレーショナルコントロールアプローチ」の双方を認めるなど、国際基準との整合性を高める方向性が示されました。
また、人権侵害や差別事案については「立証済み事案」のみを対象とするほか、マイクロプラスチック開示対象の限定など、実務負担を考慮した修正も盛り込まれています。
日本企業にも影響
ESRSはEU域内企業だけでなく、EUで一定規模の事業を展開する日本企業にも影響を及ぼす制度として注目されています。
今回の改訂により、開示負担軽減が進む一方、サステナビリティ情報開示の制度化・定着はさらに進展する見通しです。EUで事業を行う企業や、CSRD対応を進める企業にとっては、今後の正式採択および適用スケジュールの動向を継続的に確認していく必要があります。
また、今回のパブリックコンサルテーションは、制度設計に実務側の意見を反映できる機会でもあります。特にCSRD対応を進める企業にとっては、開示実務や運用上の課題を踏まえた意見提出を検討することが重要になりそうです。
なお、改訂版ESRSは2027年度からの適用が予定されており、企業は任意で2026年度から前倒し適用することも可能とされています。
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