GX-ETSの対象企業は?10万トン基準と該当条件をわかりやすく解説
目次
GX-ETS(排出量取引制度)は、2026年度から本格稼働フェーズへの移行が進められており、対象企業に該当する場合、制度対応が求められます。
その中で多くの企業が気になるのが、「自社が対象になるのか」という点です。
本記事では、GX-ETSの対象企業の考え方や基準、実務上の判断ポイントについて整理します。
なおGX-ETSは、対象判定・届出・排出量報告・排出枠の保有・償却といった一連の手続きを毎年度繰り返す制度として設計されています。
GX-ETSの対象企業とは?(10万トン基準)
GX-ETSでは、一定規模以上の温室効果ガス排出を行う企業が対象となる方向で制度設計が進められています。
その基準として示されているのが、「CO2の直接排出量(主にScope1に相当)が3カ年平均で10万トン以上」という考え方です。
この「直接排出量」とは、企業が燃料使用などによって直接排出する温室効果ガスを指します。
この基準は、GX推進法改正に関する政府資料において示されており、大規模排出事業者を対象とする制度設計となっています。
図 対象企業の判定フロー

なお、この10万トン基準の判定にあたっては、以下の点に注意が必要です。
- 判定は企業単位(事業者単位)で行われる
- 子会社・関連会社は別事業者として個別に判定される
- 毎年度、直近3カ年平均で判定される
つまり、グループ全体ではなく、あくまで各事業者ごとに対象該当性を判断する必要があります。
※対象判定の詳細は以下の経済産業省「排出量取引制度 手続の全体像 (セットアップマニュアル)」を参照ください
対象となる企業の特徴
この基準に該当する企業は、主に以下のような特徴を持ちます。
- エネルギー多消費型産業(鉄鋼、化学、セメントなど)
- 大規模な製造業
- 発電・エネルギー関連事業者
これらの企業は排出量が多く、制度の影響を直接受ける可能性が高いと考えられます。
なお、制度設計上は、大規模排出事業者が対象となる制度設計となっており、国内の排出量の大部分をカバーすることが想定されています。
自社が対象か判断するポイント
GX-ETSでは、対象企業の指定が自動的に通知されるわけではなく、各事業者が自ら該当性を判断し、必要に応じて届出を行う仕組みとなっています。
そのため、「知らなかった」では済まされず、自社での継続的な確認が重要となります。
自社がGX-ETSの対象となるかを判断するには、以下の観点が重要です。
- Scope1排出量(直近3カ年平均)の把握
- 排出量の算定方法の確認
- 企業全体での排出量の整理
特に、制度対応や第三者保証を見据えた粒度・精度で排出量を把握できていない場合は、算定体制の見直しやデータ管理プロセスの高度化が求められます。
また、対象該当性の判定および届出は毎年度行う必要があり、制度上は9月30日までに対応することが求められています。
このため、一度判定すれば終わりではなく、継続的な排出量管理と確認が必要となります。
対象企業に該当した場合、排出量の算定・報告、移行計画の提出、排出枠の保有などの制度対応が義務として求められます。
なお、GX-ETSの制度全体については、GXリーグ排出量取引制度(GX-ETS)のページでも整理されています。
※GX-ETSの仕組みや制度全体については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ GX-ETSとは?2026年本格稼働の排出量取引制度をわかりやすく解説|対象企業・仕組み・企業対応
対象外企業にも影響はある
GX-ETSは主に直接排出量(主にScope1に相当)を対象とした制度ですが、対象企業が排出削減を進める中で、取引先に対して排出量削減やデータ提供を求めるケースも想定されます。
そのため、制度上の直接対象でない企業であっても、サプライチェーンの中で間接的な影響を受ける可能性があります。
なぜ対象企業の把握が重要か
GX-ETSの対象企業に該当する場合:
- 排出量管理が制度対応として必要になる
- 削減計画の策定が求められる
- 排出量がコストとして影響する
つまり、対象かどうかは経営への影響の大きさを左右する重要な判断ポイントとなります。
※対象企業に該当した場合のリスクや負担については、以下の記事で詳しく解説しています。
→ GX-ETSのペナルティとは?未達時の負担と企業リスクをわかりやすく解説(URL未)
出典
GXリーグ 排出量取引制度(GX-ETS) https://gx-league.go.jp/action/gxets/
経済産業省 GXリーグ https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/GX-league/gx-league.html
経済産業省GX推進法関連資料 https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250225001/20250225001-1.pdf




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