英国エネルギー価格キャップ引き下げ 2026年4〜6月の電気・ガス料金は7%減

英国のエネルギー規制当局は、2026年4月1日から6月30日まで適用されるエネルギー価格キャップ(Energy Price Cap)の改定内容を公表しました。今回の改定により、標準的な家庭のエネルギー料金は平均で117ポンド(約7%)引き下げとなります。

英国では、標準変動料金(デフォルトタリフ)を利用する家庭を対象に、エネルギー会社が請求できる電気・ガス料金の上限を「価格キャップ」として設定しています。この上限は3か月ごとに見直しが行われます。

今回の改定では、電気とガスを利用し、ダイレクトデビット(口座振替)で支払う一般的な家庭の場合、年間のエネルギーコストは1,641ポンドとなる見込みです。これは前年同期(2025年4〜6月)と比べて約11%(208ポンド)低い水準となります。

2026年4〜6月の電気料金

標準変動料金で電気を利用し、ダイレクトデビットで支払う場合、平均料金は次の通りです。

  • 電力量料金:1kWhあたり24.67ペンス
  • デイリースタンディングチャージ:1日57.21ペンス

この料金は、イングランド・スコットランド・ウェールズの平均値で、VAT(5%)を含んだ価格です。

2026年4〜6月のガス料金

同じ条件でガスを利用する場合、平均料金は以下の通りです。

  • 電力量料金:1kWhあたり5.74ペンス
  • デイリースタンディングチャージ:1日29.09ペンス

こちらも英国全体の平均値で、VATを含んでいます。

エネルギー価格が下がる理由

今回の価格引き下げには、いくつかの要因があります。

まず、英国政府は2026年4月から、2つの環境・社会支援制度の資金負担をエネルギー料金から一般税収へ移行する方針を発表しました。これにより、家庭のエネルギー料金は平均で年間150ポンド程度の削減が見込まれます。

また、直近3か月間で世界のエネルギー卸売価格が低下したことも影響しており、これにより年間約38ポンドのコスト削減につながっています。

一方で、電力・ガスネットワークの維持や強化にかかる費用は増加しています。現在の価格規制制度「RIIO-3」に基づくインフラ投資の影響により、ネットワークコストは年間66ポンド増加しました。これは、電力網やガスインフラの近代化を進め、将来の料金安定化を図るための投資です。

エネルギー価格キャップの対象

次の料金プランを利用している家庭は、エネルギー価格キャップの対象となります。

  • 標準変動料金(デフォルトタリフ)
  • ダイレクトデビット
  • 請求書払い(標準クレジット)
  • プリペイドメーター
  • Economy 7メーター

実際の支払額は、家庭のエネルギー使用量、居住地域、メーターの種類などによって変わります。

エネルギー料金を抑える方法

家庭によっては、料金プランを変更したり、支払い方法を見直すことでエネルギー料金を下げられる可能性があります。エネルギー会社の変更や固定料金プランへの切り替えを検討することで、コスト削減につながる場合もあります。

また、料金の支払いが難しい場合は、エネルギー会社に相談することで分割返済プランや緊急クレジットなどの支援を受けられる場合があります。

低スタンディングチャージ料金の試験導入

規制当局は、スタンディングチャージ(基本料金)を低く設定した新しい料金プランの試験導入も予定しています。この試験は2026年4月から1年間実施され、エネルギー使用量が少ない家庭にとって選択肢が広がる可能性があります。

対象となるのは、EDF、E.ON、Octopus Energy、British Gasの顧客の一部です。

次回の価格キャップ見直し

エネルギー価格キャップは3か月ごとに見直されます。
次回の価格キャップ(2026年7月〜9月)は、2026年5月27日までに公表される予定です。

まとめ

英国のエネルギー価格キャップは2026年4〜6月期に引き下げられ、標準的な家庭のエネルギー料金は平均7%低下する見込みです。政府の制度変更や卸売エネルギー価格の下落が料金低下の主な要因となっています。一方で、エネルギーインフラへの投資によるネットワークコストは増加しており、今後も価格動向はエネルギー市場や政策の影響を受ける可能性があります。

https://www.ofgem.gov.uk/news/changes-energy-price-cap-between-1-april-and-30-june-2026

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