最初のEU CBAM証書価格が公開されました

最初のEU CBAM証明書価格が公開されました。

2026年第1四半期のEU CBAM証明書価格は 75.36€/tCO2Price of CBAM certificates – Taxation and Customs Union)です。

EU炭素国境調整措置におけるEU CBAM証明書の位置づけ

EU炭素国境調整措置(Carbon Boarder Adjustment Mechanism)では、EUの排出権取引制度であるEU-ETSで炭素コストを払っているEU域内企業との公平性を担保するために、第三国企業がEUへの輸入品製造時にEU域外で排出するCO2に対して体化排出量を計算し、EUが定めたCBAM証明書の炭素価格を乗じて炭素コストの調整を行うこととされています。

2026年は、欧州委員会は各四半期ごとに4つの四半期価格を計算・公表する予定であり、2026年4月7日に最初の四半期価格が公表されました。2027年以降、委員会は週次価格を計算・公表する予定です。

日本企業への影響

EU規則2023/956の第20条に基づき、2027年2月以降、すべてのCBAM証明書は共通中央プラットフォーム上で購入されます。したがって、2026年に輸入された製品に含まれる体化排出量に対応する炭素コスト支払いのためのCBAM証明書を輸入者が購入するのは2027年2月以降です。

このCBAM証明書の購入の際にある四半期に輸入された品の炭素コストは、輸入品の体化排出量(2026年はマークアップなしのデフォルト値の利用が可)×対応する四半期のCBAM証明書における炭素価格(2026年第1四半期は75.36€/tCO2)になります。

この計算を行うために、輸入者から、輸出者である日本企業は、輸入品に含まれる四半期ごとの施設(Installation)別CBAM対象製品の重量情報を求められることになります。

日本企業のとるべき対応

EUへCBAM対象製品を輸出している企業は、EUの輸入者からのデータ提供要請の有無にかかわらず、EUの輸入者から実データによる体化排出量の報告をもとめられる可能性があるばあい、四半期ごとに、どの施設(Installation)の材料をどれくらいの重量使っているかという情報を収集する必要があります(事後的に問われた場合は、遡って四半期ごとの情報を収集する必要があります)。

2026年4月時点で、日本国内のCBAM対象製品のサプライチェーンでは、サプライチェーン全体の秘密保持やサプライチェーンの川中企業への情報秘匿が実現できていないため、輸出者はCBAM対象製品製造者である高炉や電炉から実データを入手できる状況ではありません。

今後、EU企業は、製品そのものの価格だけでなく、CBAM証書購入費用も含めて、調達の際に価格比較を行うことが想定されます。競合他社に後れを取らないためにも、実データ入手に向けて早期の取り組みが必要と考えられます。

Booostも、EU CBAMに関する実データ流通に取り組まれている各社を支援するために、2026年4月1日から2026年9月30日までbooost CBAMの無償PoCを提供しております(「booost CBAM」無償提供開始|Booost)。この機会を活用して、是非、EU CBAM対応の準備を進めていくことが期待されます。

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